・「『ベリーベリーホース』ってどういう意味なの?」
・「なぜこの言葉がそんなに話題になったの?」
・「戸崎騎手はなぜこの言葉を選んだの?」
・「エリザベス女王杯で、なぜまた『ベリーベリーホース』が盛り上がったの?」

この記事を読むことで、この「迷言」が初めて生まれたドバイシーマクラシックの舞台裏と、エリザベス女王杯で再びこの言葉が響き、なぜここまで愛されるフレーズになったのかという背景まで、スッキリ理解できるようになります。
伝説の「迷言」が生まれたのはドバイシーマクラシック

「ベリーベリーホース!」という言葉が飛び出したのは、2025年に行われたGⅠドバイシーマクラシックの優勝直後のことです。
レースの舞台はUAE・メイダン競馬場、日本時間ではドバイワールドカップデーとしてファンおなじみの一夜でした。
このレースで戸崎騎手が手綱を取ったのが、日本ダービー馬ダノンデサイル。
前年度の東京優駿を制した実力馬で、世界の強豪が集う芝2410メートル戦に挑みました。
直線で力強く抜け出したダノンデサイルは、世界の一線級相手に完勝。
日本のダービー馬が海外のGⅠでも頂点に立った瞬間、世界中の競馬ファンが沸き立ちました。
そしてゴール後、馬上インタビューで英語でコメントを求められた戸崎騎手の口から飛び出したのが、あの
「ベリーベリーホース!グッドホース!!
ベリーベリーハッピー!」
というフレーズだったのです。
「ベリーベリーホース」に込められたシンプルな思い
「ベリーベリーホース」を直訳すると「とてもとても馬」という、少し不思議な表現になります。しかし、その裏側にある感情はとても分かりやすいものです。
・「ダノンデサイルは本当に素晴らしい馬だ」
・「世界の舞台でよく頑張ってくれた」
・「とにかくこの馬を褒めたい!」
こうした気持ちを、知っている英単語だけで必死に伝えようとした結果が、「ベリーベリーホース!グッドホース!ベリーベリーハッピー!」という言葉だったと考えられます。
完璧な英語ではないけれど、シンプルでストレートなフレーズ。
それが逆に、ダノンデサイルへの深い愛情と、世界的GⅠ制覇の喜びを強く印象づける形になりました。
なぜここまで話題になったのか
この一言がここまで話題になった背景には、いくつかの要素が重なっていました。
まず一つは、「世界の大舞台で日本人騎手が堂々と自分の言葉で話した」というシーンそのもののインパクトです。
通訳を介さず、自分の拙い英語であっても、世界に向かって「すごい馬だ!」と叫んだ姿は、多くの日本人ファンの胸を打ちました。
二つ目は、誰でも分かる簡単な単語だけで構成されていた点です。
「ベリー」「ホース」「グッド」「ハッピー」といった、中学生レベルの英単語だけで作られたフレーズだったからこそ、
「英語苦手だけどこれなら言える」
「気持ちだけはめちゃくちゃ伝わってくる」
と、親近感を持って受け止められました。
実際にレース後、X(旧Twitter)などSNSでは「ベリーベリーホース」がトレンド入り。
切り抜き動画や画像、パロディも多く作られ、一気に“流行語候補”のような扱いになっていきました。
戸崎騎手自身が語った「迷言」の舞台裏
レースから数日後、戸崎騎手はインタビューなどでこのフレーズについて振り返り、
「うれしさの興奮と、英語で聞かれたので、それで出ました」
といった趣旨のコメントをしています。
つまり、あらかじめ準備した“ネタ”ではなく、
・ダノンデサイルへの感謝
・世界GⅠ制覇の喜び
・英語で何とか気持ちを伝えたいという焦り
その瞬間の感情が、そのまま言葉になって出てしまった結果が「ベリーベリーホース」だった、ということです。
この“計算されていない素直さ”こそが、多くのファンに刺さったポイントだと言えるでしょう。
エリザベス女王杯で再び響いた「ベリーベリーホース」
そしてこのフレーズは、海外だけの話で終わりませんでした。
2025年秋、京都競馬場で行われたエリザベス女王杯で、レガレイラに騎乗した戸崎騎手が再びGⅠ制覇を果たします。
有馬記念馬でもあるレガレイラがレコード勝ちを決めたこの一戦は、それだけでも大きな話題でしたが、ウイナーズサークルでの勝利インタビューの最後に、戸崎騎手はファンの前でにこやかにこう言いました。
「ベリーベリーホース!」
ドバイシーマクラシックで生まれたフレーズが、今度は京都のスタンドを沸かせる“決めゼリフ”として再登場した瞬間でした。
この時もSNS上では、
「ちゃんと日本でも言ってくれた!」
「ドバイから続くストーリーが完結した感じ」
「レガレイラもダノンデサイルも“世界のベリーベリーホース”だ」
といった投稿が一気に広がり、タイムラインはまたもや「ベリーベリーホース」で埋め尽くされました。
「一発ネタ」ではなく、ファンとの“合言葉”に
ドバイシーマクラシックで生まれた「ベリーベリーホース!」は、当初は「かわいい迷言」「カタコト英語がおもしろい」といった軽い受け止め方もされていました。
しかし、時間が経つにつれて、
・日本ダービー馬ダノンデサイルの世界制覇を象徴する言葉
・レガレイラのエリザベス女王杯制覇にもつながる“戸崎ブランド”のフレーズ
として、だんだん“物語”をまとい始めます。
今では多くのファンにとって、
「戸崎騎手が大きなタイトルを勝ったときに聞きたい決めゼリフ」
「強い日本馬を称えるときの合言葉」
のような存在になっていると言っていいでしょう。
レース内容だけでなく、
「最後のインタビューで『ベリーベリーホース』が出るかどうか」
まで楽しみにするファンも増え、戸崎騎手の勝利インタビューそのものが一つの“エンタメ”として定着しつつあります。
おわりに
「ベリーベリーホース!」という一言は、
・ダノンデサイルとともに世界のGⅠを制した瞬間の喜び
・戸崎騎手の人間味あふれる素直な感情表現
・そしてレガレイラのエリザベス女王杯制覇での“再演”
といった要素が重なったことで、日本競馬史に残る名言(迷言)へと育っていきました。
今後、戸崎騎手がまた大きなレースを勝ったとき、
マイクの前であの一言が飛び出すのか――。

「次のベリーベリーホースはどの馬になるのか?」
という視点でレースを見るのも、競馬の新しい楽しみ方の一つと言えるかもしれません。



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