日本のトップジョッキーである戸崎圭太騎手が、大一番のGⅠレースを制した直後のインタビューで発した「ベリーベリーホース!」という一言を覚えているでしょうか。この、英語とも日本語ともつかない“迷言”は、競馬ファンだけでなく多くの人の注目を集め、一時は流行語大賞の候補になるのではないかとまで言われるほど話題となりました。
- 「『ベリーベリーホース』ってどういう意味なの?」
- 「なぜこの言葉がそんなに話題になったの?」
- 「戸崎騎手はなぜこの言葉を選んだの?」

この記事を読むことで、この「迷言」が生まれたGⅠレースの舞台裏や、なぜこのフレーズが多くの人々の心に残ったのかという背景について、理解できるようになります。
伝説の「迷言」が生まれたGⅠレースとは

戸崎圭太騎手から「ベリーベリーホース!」という言葉が飛び出したのは、2018年に行われた皐月賞(さつきしょう)の優勝直後のことでした。
皐月賞は、三冠レース(最も格式の高いレース)の一つであり、その年のクラシックホース(若い世代の最強馬)を決める、非常に重要な大レースです。
このレースで、戸崎騎手はエポカドーロという馬に騎乗し、見事に勝利を収めました。GⅠレースの優勝は、騎手にとって最高の栄誉であり、戸崎騎手も大きな興奮と喜びの中にいました。
勝利後、戸崎騎手は馬上(馬の上)で外国人インタビュアーから勝利の感想を英語で求められました。
この時に、通訳を介さずに自分の言葉で世界に勝利を伝えたいという思いから、思わず飛び出したのが「ベリーベリーホース!」というフレーズだったのです。
「ベリーベリーホース」が持つ意味と当時の状況
このフレーズは、直訳すると「とてもとても馬」という不思議な言葉になります。しかし、この言葉の裏には、戸崎騎手のシンプルな感情が込められていました。
彼は、「エポカドーロはとても素晴らしい馬だ」「良い馬(グッドホース)だ」という感情を伝えようとして、「ベリー(とても)」と「ホース(馬)」という、知っている単語を繋ぎ合わせたものだと推測されています。
実際のインタビューでは「ベリー・ベリー・ホース、グッドホース」という言葉が続いていたという情報もあります。
この言葉が話題になった最大の理由は、戸崎騎手が普段はクールなプロフェッショナルとして知られていたこと、そして、大舞台でのプレッシャーと興奮の中で出た素直な感情表現だったからです。
このユーモラスな一言が、日本の競馬ファンだけでなく、海外の中継を見ていた人々にも「ニッポンのトザキ」という強い印象を与えたのです。
なぜ「流行語大賞」クラスの注目を集めたのか
「ベリーベリーホース!」が流行語大賞クラスの注目を集めた背景には、その「親しみやすさ」と「国際的なユーモア」がありました。
当時のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)では、この言葉は瞬く間に拡散されました。「受験生の俺でも知っている英単語だ」「カタコト英語だけど気持ちは伝わる」といったコメントが溢れ、多くの人がこの“迷言”を微笑ましく受け止めました。
大舞台で完璧な英語を話すよりも、興奮の中で必死に伝えようとする姿が、人々の共感を呼びました。
この一言は、通訳に頼らず世界に自分の言葉を伝えようとした戸崎騎手の勇敢さと、馬への深い愛情を象徴するものとして、多くの人々の記憶に残りました。
戸崎騎手自身が明かした「迷言」の舞台裏
後に戸崎騎手自身が、この「迷言」が生まれた舞台裏を明かしています。
彼は「うれしさの興奮と英語で聞かれたので、それで(この言葉が)出ました」と語っています。
この言葉は、彼の意図しない形ではありましたが、結果として戸崎騎手の人間的な魅力を伝えることにつながりました。
彼はこの一件で、クールなプロの顔だけでなく、熱い感情を持つ一人の人間として、多くのファンから愛されるようになったのです。
この「ベリーベリーホース!」という言葉は、日本の競馬史に残る伝説的な名言(迷言)として、これからも長く語り継がれていくでしょう。



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