今永昇太 カブスが提示したクオリファイング・オファー（QO）の全貌と今後のFA移籍の行方を徹底解説します

クオリファイング・オファー（QO）とは何ですか？

メジャーリーグの「クオリファイング・オファー」とは、フリーエージェント（FA）となった選手に対し、前所属球団が提示できる1年間の契約のことです。

このオファーの金額は、メジャーリーグ全体の年俸上位125選手の平均年俸に基づいて毎年決定されています。

カブスが今永昇太投手に提示した2024年シーズンのQOは、2202万5000ドル（日本円で約33億7千万円）という高額な金額になりました。

このオファーは、選手に対して「この金額で1年だけウチに残らないか？」と球団が公式に提案するものなのです。

今永選手がQOを受諾または拒否した場合どうなるか

このQOを受け取るか拒否するかは、すべて今永選手自身が決めることができます。

回答期限は11月18日（日本時間）に設定されています。

1. QOを受諾した場合

もし今永選手がQOを受諾することを選んだ場合、彼はカブスと1年間の契約を結び、次のシーズンもカブスの一員としてプレーすることになります。

年俸はQOの規定額である2202万5000ドルです。

この場合、長期的な契約ではなく単年契約となるため、翌年には再びFAとなる可能性が高いでしょう。

2. QOを拒否した場合

今永選手がQOを拒否した場合、彼は完全にFAとして他球団との交渉に進みます。

ほとんどの選手は、より長期で安定した契約（例えば、複数年契約）を求めているため、このQOを拒否する選択をすることが多いです。

QO拒否がFA交渉に与える大きな影響

QOを拒否した選手を他球団が獲得する場合、その選手を獲得した球団は前所属球団（カブス）にドラフト指名権の補償を支払わなければならないというルールがあります。

この補償制度こそが、QOの最も重要なポイントです。

ドラフト指名権の補償とは

• 獲得する球団側から見ると、今永選手のようなQOを拒否した選手を獲得すると、上位のドラフト指名権を失うことになります。ドラフト指名権は球団の未来を担う大切な権利なので、これを失うことは大きな痛手となります。
  
• カブス側から見ると、今永選手が他球団へ移籍しても、ドラフト指名権という見返りを得ることができます。

この「ドラフト指名権の補償」があるため、QOを提示された選手は、他のFA選手に比べて市場での交渉がやや難しくなる傾向があるのです。

しかし、今永選手ほどのトップクラスの選手であれば、ドラフト指名権を失ってでも獲得したいと考える球団は多いはずです。

今後のFA交渉の行方 複数年契約が焦点に

多くの専門家は、今永投手が単年契約であるQOを拒否し、複数年契約を目指す可能性が高いと見ています。

メジャーリーグで実績を残しつつある今永選手にとっては、3年や5年といった長期で、かつ高額な総額の契約を結ぶことが、より安定したキャリアを築く上で望ましいと考えられます。

もしQOを拒否すれば、今永選手にはカブスを含めた全メジャー球団が獲得候補となります。

複数年契約のオファーは、QOの単年2202万5000ドルを上回る総額になることが予想されます。

特に先発投手の需要が高いメジャーリーグでは、多くの球団が獲得に乗り出すでしょう。

今永昇太選手の決断と野球ファンへの期待

今永昇太投手の決断の期限は、いよいよ迫っています。

QOを受諾してカブスに残るのか、それとも拒否して新たな球団、そして複数年契約という大きなキャリアアップを目指すのか、その一挙手一投足に注目が集まっています。

彼の選択は、今後のメジャーリーグのFA市場、そしてカブスの来シーズンの戦力にも大きな影響を与えます。