学法石川 全国高校駅伝2025優勝候補検証 福島王者が挑む都大路での勝ち筋とキーマン徹底解説

全国高校駅伝2025に挑む学法石川の立ち位置

全国高校駅伝2025男子は、2025年12月21日(日)に京都・たけびしスタジアム京都発着の7区間42.195kmで行われます。男子のスタートは12時30分予定で、テレビ中継は例年通りNHKが担当する見込みです。

都道府県大会と地区大会がすべて終わった時点での男子チームタイム比較では、宮城代表の仙台育英が2時間1分45秒で全体トップ、続く2番手が福島代表の学法石川の2時間2分58秒という位置づけになっています。

つまり学法石川は、「仙台育英に次ぐ持ちタイム2位の優勝候補」として都大路に乗り込むことになります。過去には2018年大会で2時間2分52秒をマークし、全国高校駅伝歴代総合記録トップ10にも名を連ねる強豪校です。

福島県高校駅伝2025 学法石川のレース内容

学法石川は2025年10月23日に行われた福島県高校駅伝男子で、大会記録を2分08秒更新する2時間2分58秒の大会新記録で優勝しました。これで男子は15連覇・17回目の優勝、さらに男女そろって10年連続のアベック優勝という圧倒的な強さを見せています。

レース展開を簡単に整理すると次の通りです。

・1区(10km) 増子陽太(3年)が28分20秒の区間新で独走スタート
・2区(3km) 保芦摩比呂(3年)が区間賞でリード拡大
・3区(8.1075km) 栗村凌(3年)が23分16秒の区間新
・4区(8.0875km) 末田唯久海(3年)がトップをキープ
・5区(3km) 美澤央佑(1年)が区間タイ記録
・6区(5km) 杉村大豪(2年)が区間賞
・7区(5km) 若田大尚(1年)が区間賞でフィニッシュ

7区間すべてで区間賞を獲得する「オール区間賞」での優勝は、都道府県大会としても異次元の内容です。

この福島県大会の結果が、そのまま「全国でも通用する完成度の高さ」を示していると言って良いでしょう。

主力メンバーと持ち味をチェック

ここからは、全国高校駅伝2025で中心となりそうな学法石川の主力メンバーを整理します。

エース増子陽太 1区も3区も担える万能型

・学年：3年
・種目：5000m、10000m、駅伝長距離区間
・特徴：スピードとスタミナのバランスが非常に高く、5000mでは13分台中盤の日本高校トップクラスの記録をマークする高速ランナーです。

福島県大会では1区10kmを28分20秒でぶっちぎりの区間新。都大路でも1区で流れをつくるのか、3区または4区の山場に回るのか、戦略のカギを握る存在です。

栗村凌 インターハイ5000m3位の安定感

・学年：3年
・種目：5000m、駅伝中核区間
・実績：インターハイ5000m3位入賞経験あり

福島県高校駅伝では3区を23分16秒の区間新でまとめ、ロードでもトラック同様の安定感を見せました。全国でも3区や4区の「エース区間」を担う可能性が高く、増子とのダブルエース体制は全国トップクラスです。

末田唯久海・保芦摩比呂 中核を支える3年生トリオ

末田唯久海(3年)と保芦摩比呂(3年)は、いずれも福島県大会で区間賞を獲得した堅実派。中盤の4区や6区など、レースを崩さず粘り強くつなぐ役割を担える選手です。チームとして「どの区間も大崩れしない」安定感を支える存在と言えます。

美澤央佑・若田大尚 1年生ダブルルーキーの破壊力

・美澤央佑(1年)：5区3kmで区間タイ記録
・若田大尚(1年)：国スポ少年B3000m5位の実績、7区5kmで区間賞

1年生ながら都道府県大会で堂々の区間賞・区間タイ記録をマークした2人は、全国大会でも5区・7区といった流れを変えやすい区間での起用が有力です。特にラスト7区の若田は、上位争いの中で順位を上げる「切り札」になり得ます。

学法石川のチーム特徴と強み

オール区間で戦える層の厚さ

福島県大会でオール区間賞を達成したように、学法石川は「どの区間に誰が入っても高いレベルで走れる」という層の厚さが最大の強みです。

全国大会では、仙台育英や佐久長聖などもエース級を複数そろえていますが、「7人全員が安定して速い」という点では学法石川はトップクラスのバランス型チームと言えます。

福島代表としての経験値と全国上位の記録

学法石川は全国高校駅伝の常連校で、2018年には2時間2分52秒で3位入賞。これは全国高校駅伝の歴代総合記録トップ10に入る好タイムで、都大路で結果を出した経験値がチーム全体の自信につながっています。

その後も複数回のシード争い・上位進出を経験しており、「全国でのレース運び」を選手・スタッフともに理解している点は、初出場校にはないアドバンテージです。

トラックシーズンから続く好調さ

エース増子陽太をはじめ、主力陣はトラックシーズンから5000mや10000mで好記録を重ねてきました。秋のロードシーズンに入っても福島県大会で記録を伸ばしており、11月時点でコンディションがしっかり仕上がっている印象です。

全国高校駅伝は12月下旬の開催で、長距離選手にとってピークを合わせやすいタイミング。今の流れを維持できれば、当日も高いパフォーマンスが期待できます。

東北高校駅伝辞退という決断と「都大路集中」の姿勢

2025年は、秋田で行われる東北高校駅伝について、練習中の熊出没リスクを理由に男女そろって出場を辞退し、トラックレースに切り替えるというニュースもありました。

チームとして安全を最優先しつつ、「全国大会に照準を合わせる」という明確な方針を取ったことで、12月21日の都大路にピークを持っていく準備がしやすいスケジュールになっています。

全国高校駅伝2025でのオーダー予想と勝ち筋

実際のエントリーや当日のオーダーは直前まで変動する可能性がありますが、福島県大会の区間配置や選手の持ち味を踏まえた「イメージとしての勝ち筋」は次のようになります。

前半で主導権を握る展開が理想

・1区 増子陽太が先頭集団または単独トップで戻ってくる展開
・2区で外国人ランナーを擁するチームに抜かれても、必要以上に追わず「表彰台圏内」をキープ
・3区・4区に栗村や末田ら主力を置き、中盤で再度前をうかがう

仙台育英や佐久長聖、倉敷なども前半から飛ばしてくることが予想されますが、学法石川も福島県大会のレースを見る限り、「序盤からある程度前で戦う力」が十分にあります。

中盤は崩れないことが最優先

全国上位を狙うチームにとって、4区・6区などの中盤で大きく遅れないことが非常に重要です。学法石川には、3年生を中心に中距離〜長距離の安定感のあるランナーがそろっており、ここが他校と比べたときの大きな強みになっています。

仮に他校のエース級に一度前に出られても、「10〜20秒でしのぐ」粘りができれば、終盤で再逆転を狙える位置をキープできます。

終盤は1年生コンビの勢いに期待

5区・7区に1年生の美澤央佑と若田大尚を起用する形は、福島県大会と同じく全国でも十分にあり得るパターンです。

・5区 3kmでの位置取りで入賞ラインを確保
・7区 ラスト5kmで順位を2〜3つ押し上げるイメージ

1年生が大舞台で緊張する可能性はあるものの、すでに都道府県大会で結果を残していることを考えると、「思い切って勝負に行ける終盤要員」が2人いることは大きな武器です。

ライバル校との比較と現実的な目標ライン

男子の全国高校駅伝2025は、予選タイムの面では仙台育英が抜けた存在で、その後ろに学法石川、西脇工、佐久長聖、倉敷、八千代松陰、東洋大牛久、九州学院などが続く構図になっています。

この中で学法石川が目指す現実的なラインを整理すると、

・目標1：優勝争い(優勝〜3位)
・目標2：入賞圏内の安定キープ(8位以内)
・目標3：持ちタイムに近い2時間3分台前半でまとめる

となります。

優勝を狙うには、1区〜7区までほぼノーミスでつなぎつつ、どこかで「区間賞レベルの爆発」をもう1本増やしたいところです。一方で、福島県大会の内容や過去の全国実績を考えると、「表彰台争いに絡みつつ8位以内は十分に狙える」と見て良いでしょう。

まとめ 学法石川は仙台育英に続く優勝候補の1校

・都道府県・地区大会を通した持ちタイムは全国2位の2時間2分58秒
・福島県大会ではオール区間賞＆大会新で圧勝
・増子陽太・栗村凌のダブルエースに加え、3年生の安定感と1年生ルーキーの勢いがある
・2018年には全国3位で歴代総合記録トップ10入りの実績あり
・2025年は東北高校駅伝を辞退し、安全と全国大会への集中を優先

こうした要素を踏まえると、学法石川は「仙台育英に続く優勝候補の1校」として全国高校駅伝2025を迎えると言って良いと思います。

レース当日は、
・1区での増子の入り方
・3区・4区でのエース区間の勝負
・7区若田(想定)のラストスパート
といったポイントを意識して観戦すると、学法石川の強さと駅伝の面白さがより伝わってくるはずです。