・ローカルルールって何なのか、どこまで守ればいいのか知りたい。
・赤杭と黄杭の違い、ドロップゾーンの使い方など理解したい。
・日本女子オープンので起きた失格例から、注意点を具体的に知りたい。

この記事を読むと、ローカルルールの基本と作られる理由がわかるので、なぜ選手がペナルティを受けるのかが分かります。
ゴルフローカルルールとは

ローカルルールは、コースや大会の事情に合わせて主催者が追加で定めるルールです。
内容はR&AとUSGAが用意する「モデル・ローカルルール」を参考にして決められ、スコアカードや掲示、公式サイトなどで周知されます。
ローカルルールが採用されている競技では、本則と同じ効力を持ちます。
よくある例は、ドロップゾーンの設置、動かせない障害物の救済範囲の明確化、若木保護のノープレイゾーン指定、ワンボール条件や距離計の扱いなどです。
なぜあるの?
コースごとの事情に合わせて公平にするためです。
池や渓流、橋、送電線、観客スタンドなど、コースによって状況は大きく変わります。
ローカルルールで救済のやり方をはっきり示すことで、選手間の不公平を減らします。
プレー進行と安全を守るためです。
たとえばOBやロストボールで後続が詰まりやすいホールでは、戻り打ちの代わりになる救済(大会が採用した場合)を示すことで、プレーの渋滞を防ぎます。
雷や強風など悪天候時の中断・再開手順も、ローカルで決めておくと混乱しません。
用具や情報のルールをそろえるためです。
大会のレベルに応じて、ワンボール条件や距離計の可否、グリーンブックの使用範囲などを統一します。
事前に明記しておくことで、解釈のズレを防ぎます。
日本女子オープンで2選手が失格

2025年の日本女子オープン(兵庫・チェリーヒルズGC)で、第1ラウンド終了後に同組の2選手(水木春花選手、アマチュアの菊田ひな選手)が失格となりました。
原因は「黄ペナルティーエリア」で本来は認められない処置をしてしまったことです。
黄ペナルティーエリアで選べる主な救済は次のとおりです。
・元の位置から打ち直す(ストローク&ディスタンス)
・最後に横切った点とホールを結ぶ後方線上でドロップ
・大会が設置していればドロップゾーンを使用
一方で、赤ペナルティーエリアで認められる「横方向2クラブレングス内のドロップ(ラテラル救済)」は、黄では使えません。
今回はここを誤り、誤所からのプレーとなりました。重大な違反を訂正しないままホールを終えたため、規則により失格という結果になりました。
この事例からわかることは、①赤と黄の違いを必ず確認すること、②ドロップゾーンの有無をハードカードや掲示で事前にチェックすること、③迷ったらその場で競技委員に相談することの3点です。
(参考までに、過去の日本女子オープンでは、距離計を「使用不可」とするローカルルールが採用され、使用してしまった選手が失格になった例もあります。大会ごとに採用ルールは変わるため、毎回の確認が重要です。)
まとめ
・ローカルルールは、公平性、進行、安全を守るためにあります。
・赤杭と黄杭では救済の内容が違います。特に黄ではラテラル救済はできません。
・大会ごとに採用ルールは異なります。スコアカードや掲示、ハードカードを確認し、疑問はすぐに競技委員へ。
・知っていれば防げるペナルティが多いので、事前チェックを習慣化しましょう。
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