・「沢村賞の基準がややこしくて分からない」
・「伊藤大海はどこが評価されたのか知りたい」
・「完投や投球回が少ない時代に、基準はどう運用されているのか気になる」

この記事を読むことで、沢村賞の7項目を具体的に理解し、2025年に伊藤大海選手が選ばれた理由を事実ベースで押さえ、今後の“受賞に近づく投手像”のチェックポイントまでスッと分かります。
沢村賞とは
沢村賞は、その年に最も優れた先発完投型の投手に贈られる賞です。
セ・パ両リーグをまたいで、原則としてシーズンに1人が選ばれます。
日本の先発投手にとって名誉ある個人タイトルで、選考は元投手らで構成される選考委員会が行います。
選考基準7項目をかみ砕いて解説
沢村賞は次の7項目が「物差し」になります。
すべての達成が絶対条件ではありませんが、満たすほど評価の後押しになります。
1 登板数…25以上
2 完投数…10以上
3 勝利数…15以上
4 勝率…6割以上
5 投球回…200以上
6 奪三振…150以上
7 防御率…2.50以下
補足として、先発登板における「7回3自責以内(日本版QS)」の達成状況も参考にされます。
ポイントは、単なる数字の“合計点”ではなく、リーグ全体の文脈やタイトルとの兼ね合い、チームへの貢献度も総合的に見られることです。
2025年の結論 伊藤大海が沢村賞を受賞
2025年は、日本ハムの伊藤大海投手が初受賞となりました。
球団としてはダルビッシュ有(2007年)以来の快挙です。
選考委員会は「両リーグを通じた主要部門でトップ級」「日本版QSの達成度」などを含め、総合力を高く評価しました。
伊藤大海の最終成績と“7項目”の突き合わせ
・登板…27(基準クリア)
・完投…6(基準10に届かず)
・勝利…14(基準15に届かず)
・勝率….636(基準クリア)
・投球回…196回2/3(基準200に僅差)
・奪三振…195(基準クリア)
・防御率…2.52(基準2.50に僅差)
数字だけを見ると「未達の項目がある」のは事実です。
そこで重視されたのが、両リーグ横断での主要スタッツ上位性、長いイニングを投げ切る安定性、日本版QSの達成状況、そしてシーズンを通した勝ち運びの上手さでした。
いわば「圧力の高い場面でのクオリティ」と「リーグ相対値」が評価を押し上げた形です。
“現代の沢村賞像” 何が見られているのか
近年は分業制が進み、完投や200イニング達成が難しくなっています。
とはいえ、基準は「先発としてどこまで高いレベルで投げ続けたか」を測るために存在します。
・到達(または接近)している項目の多さ
・リーグ内での相対的な優位(タイトルや主要指標の順位)
・日本版QSの達成度(7回3失点以内の割合)
これらを束ねた“総合力”で、受賞の妥当性が判断されます。
2025年の伊藤は、この「総合力」の面で文句のつけにくい仕上がりでした。
チェックリスト 受賞候補を見極める3点
1 「25登板」「200回近辺」「150奪三振」を先に見る
2 勝率6割以上かつリーグ上位の勝利数か
3 日本版QSの達成率と、強敵相手の長い回の安定性
この3点を押さえると、翌年以降も「受賞に近い投手像」を見誤りません。
まとめ
・沢村賞は7項目が物差しで、満たすほど有利
・2025年は伊藤大海が“総合力”で初受賞
・分業時代でも、長い回を安定して投げ、主要指標でリーグ上位を占める投手が有力
数字の達成数だけでなく「相対的な強さ」を一緒に見ることが、沢村賞を読み解く近道です。



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