日本の格闘技ファンが待ち望んだ因縁の対決が、今年の大晦日に決着します。キックボクシング時代から激しく火花を散らしてきた冨澤大智と篠塚辰樹が、前回とは異なる総合格闘技(MMA)ルールで再戦することが決定しました。
- 「前回キックルールで篠塚選手に負けた冨澤選手が、どうやって雪辱を果たすの?」
- 「篠塚選手がMMAデビュー戦で露呈したグラウンドの弱点は克服されたの?」
- 「この因縁の再戦の勝敗を分ける決定的な鍵は何?」

この記事を読むことで、両者が持つストライカーとしてのKOポテンシャル、そしてMMAルールだからこそ浮き彫りになる経験と技術の差について、詳しく知ることができます。
試合の舞台裏 2023年大晦日からの因縁とルール変更の意義

この対戦が組まれた背景には、2023年大晦日のRIZINでの因縁があります。その時の二人の試合は、OFG(オープンフィンガーグローブ)着用キックルールで行われ、篠塚が冨澤から2度のダウンを奪い、判定勝ちを収めました。この敗北は、冨澤にとって大きな悔いとして残っています。
そして今回、再戦のルールはMMA(総合格闘技)ルールへと変更されました。これは単なるリベンジマッチではなく、グラウンドでの攻防や寝技(サブミッション)といった要素が加わるため、要求される技術が根本的に変わります。前回の試合で篠塚が打撃技術で優位性を示したとしても、今回の勝敗は、「どれだけMMAルールに適応できたか」、特にテイクダウン・ディフェンス(相手に倒されない防御技術)の信頼性にかかっていると言えるでしょう。
元Krush王者 篠塚辰樹の強みと「MMAの洗礼」
篠塚辰樹は、元Krushフェザー級王者という輝かしい実績を持ち、その精密なステップワークと洗練されたカウンターは、日本のキックボクシング界でもトップレベルです。前回の冨澤戦での勝利は、彼の打撃技術の高さを証明しました。
しかし、彼のMMAキャリアはまだ浅く、今年5月のデビュー戦でヒロヤを相手に1ラウンドTKO負けという挫折を経験しています。この敗北は、試合内容が「簡単にテイクダウンを奪われ、パウンドと肘を浴びた」というものであり 、彼のグラップリング(組み技)防御における構造的な弱点を露呈させる結果となりました。
TKO負けを喫した日から大晦日までの準備期間は限られており、この短期間でMMAのトップレベルで通用するテイクダウンディフェンスを獲得することは、非常に困難だと予想されます。
冨澤大智の優位性 KOポテンシャルと「非対称な経験値」
一方、冨澤大智は、篠塚よりもMMA転向後の経験値において明確な優位性を持っています。彼のMMA戦績は3戦2勝1敗であり、篠塚の1戦1敗と比較すると、経験の多様性が全く異なります。
1. KO勝ち(vs. 三浦孝太):MMAプロデビュー戦で1R KO勝利を収め、KOパンチの決定力がMMA環境でも通用することを証明しました。
2. 一本負け(vs. 山本アーセン):2R裸絞めで敗北し、自身のグラップリング防御の課題を知ることができました。
3. 判定勝ち(vs. 平本丈):3ラウンドの激しい攻防を戦い抜き、長時間の試合を乗り切るスタミナと戦術的な成熟度を高めました。
この3戦の経験は、冨澤に「勝ち方」と「負け方」を知る機会を与え、対戦相手である篠塚の致命的な弱点(グラウンドでの防御)を狙う、冷静な戦略を構築可能にしています。
勝敗を分ける決定的な鍵「グラウンド・アンド・パウンドの脅威」
この試合の決定的な勝敗要因は、篠塚のテイクダウンディフェンスが機能するかどうか、そしてグラウンドでの防御能力です。
篠塚が打撃で優位を築こうと前に出た瞬間、冨澤は打撃を混ぜつつ、テイクダウンを成功させる低リスク・高リターンの戦略を選択する可能性が高いです。
冨澤はトップポジションからのパウンドによるKO能力を持つことが証明されています。一方、篠塚はMMAデビュー戦でパウンドと肘によるTKO負けを経験しており、グラウンドでの防御スキルが不足しています。冨澤が一度グラウンドに持ち込めば、グラウンド・アンド・パウンド(GnP)や肘攻撃によるフィニッシュから篠塚が逃れることは、極めて困難であると予測されます。
試合展開と勝利の予測 冨澤の戦略的なTKO勝利へ
この試合は、冨澤のGnPによるTKO勝利が最も可能性の高い結果であると予測されます。
試合序盤、篠塚は感情を露わにした煽り発言通り、KOを狙ってアグレッシブに打撃を仕掛けるでしょう。しかし、テイクダウンのリスクを常に意識しなければならないため、彼の打撃効率はキックルールの時よりも低下するはずです。
冨澤は、この打撃の交換の中で篠塚のスタンスや重心を冷静に見極め、R1中盤からR2にかけて、確実にテイクダウンを成功させます。グラウンドに引き込んだ後、冨澤がトップポジションを確保し、レフェリーストップを引き出す正確なパウンドや肘を浴びせる展開となるでしょう。
最終的な予測は、冨澤大智が、MMAルールを最大限に活用する戦略によって、R2でのGnPによるTKO勝利を収め、前回の敗戦の雪辱を果たすというものです。




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