・ニューイヤー駅伝2026でHondaがどれだけ強いのか整理して知りたい。
・2022~2025年のニューイヤー駅伝での戦いぶりや、東日本実業団駅伝2025の結果を一度まとめて把握しておきたい。
・テレビや配信で観戦する前に、Hondaの主力メンバーと勝ち筋、他強豪との力関係をパッと理解しておきたい。

この記事を読めば、Honda陸上競技部の最新実績、第69回ニューイヤー駅伝での走り、2025年シーズンの状態を踏まえたニューイヤー駅伝2026での立ち位置や、優勝・上位進出の可能性がひと通り整理できます。ニューイヤー駅伝2026の大会概要に触れつつ、東日本予選である東日本実業団駅伝の内容、注目選手、想定区間配置、他有力チームとの力関係までまとめて確認していきます。
ニューイヤー駅伝2026でのHondaの立ち位置概要
ニューイヤー駅伝2026は第70回記念大会として2026年1月1日、群馬県庁前発着・7区間100kmで開催されます。
群馬県庁をスタートし、前橋・高崎・伊勢崎・太田・桐生などを巡って再び県庁に戻る「おなじみの上州路」が舞台です。
今大会の出場チーム一覧を見ると、Hondaは東日本ブロックから「42年連続43回目」の出場。実業団長距離界でもトップクラスの伝統と安定感を誇るチームです。
2025年1月1日のニューイヤー駅伝2025(第69回大会)では、Hondaは4時間47分40秒をマークして2位フィニッシュ。優勝した旭化成とはわずか8秒差という、最後まで緊張感の高い優勝争いを演じました。
さらに、直近4大会の成績を整理すると
・2022年 第66回大会 初優勝(4時間51分01秒)
・2023年 第67回大会 連覇達成(4時間48分06秒)
・2024年 第68回大会 2位(4時間51分11秒/優勝はトヨタ自動車)
・2025年 第69回大会 2位(4時間47分40秒/優勝は旭化成、8秒差)
と、「2020年代前半のニューイヤー駅伝を代表するチーム」の一つであることがわかります。
つまり2026年元日の群馬には
・2022・2023年に連覇を達成した“前王者”
・ここ4大会連続で3位以内に入っている超安定勢力
・第70回記念大会で「3年ぶり3度目の頂点」を狙う優勝候補
という3つの顔を持ってHondaが乗り込んでくることになります。
Hondaのニューイヤー駅伝での実績と2025年2位の振り返り
ニューイヤー駅伝におけるHondaは、かつての「旭化成一強」の時代を揺さぶり、新たな勢力図を描いてきた“令和の強豪チーム”です。
・2022年大会で創部51年目にして悲願の初優勝
・2023年大会では4時間48分06秒で連覇を達成
・2024年はトヨタ自動車に競り負けつつも2位を確保
という流れを受けて迎えたのが、第69回ニューイヤー駅伝2025でした。
2025年大会でのHondaの区間リレーをざっくり振り返ると
・1区 森凪也が区間9位ながら粘走し、優勝争い圏内をキープ
・2区 小山直城が「エース区間」で区間7位とまとめ、チーム順位を5位まで押し上げる
・3区 伊藤達彦は区間8位ながら、前との大きな差を作らせない我慢の走り
・4区 イェゴン・ヴィンセントが区間賞(20分37秒)で一気に3位へ浮上
・5区 青木涼真が区間賞(46分36秒)でついに首位に立つ
・6区 久保田徹が区間3位で首位キープ
・7区 中山顕が旭化成・井川龍人と激しいマッチレースの末、4時間47分40秒で2位フィニッシュ
という内容でした。
特に4区ヴィンセントと5区青木のダブル区間賞、そして6区久保田も上位区間順位でまとめた中盤の“押し上げ区間”は、「Hondaらしい総合力とスピードの両立」を象徴するパートだったと言えます。
アンカー7区では、元・アンカーV経験もあるHondaの中山顕と、旭化成の井川龍人による実質マッチレースとなり、ラスト500mのスパート勝負でわずかに競り負けましたが、「勝ちパターンを最後まで作り切った」という意味では、2026年大会への大きな布石とも言えるレース内容でした。
2025年度シーズンと東日本実業団駅伝の戦いぶり
2025年シーズンのHonda陸上競技部は、トラック・ロードともに“世界レベルの選手”を複数抱える豪華な布陣が特徴です。
・森凪也 東京2025世界陸上5000m代表・自己ベスト13分15秒07
・小山直城 東京2025世界陸上マラソン日本代表・パリ五輪マラソン代表経験もあり
・青木涼真 パリオリンピック3000m障害代表、日本選手権3000m障害優勝
・伊藤達彦 東京オリンピック10000m日本代表
といった、日本代表クラスの選手が複数在籍しており、「個々の能力の高さ」という点でもニューイヤー駅伝出場チームの中でトップクラスです。
一方で、ニューイヤー駅伝2026の出場権をかけた第66回東日本実業団対抗駅伝(2025年11月3日・熊谷/7区間74.6km)では、Hondaは3時間34分15秒の10位フィニッシュ。上位13チームに与えられるニューイヤー駅伝出場権を確保したものの、優勝争いには絡めない“我慢のレース”となりました。
区間ごとの流れを見ると
・1区 中野翔太が14位スタート
・2区 ヴィンセントが区間7位の走りで11位へ浮上
・3区 吉田礼志が粘るも11位のまま
・4区 小袖英人が12位
・5区 久保田徹が区間3位で10位へ押し上げ
・6区 小山直城が区間5位で9位
・7区 木村慎がアンカーで10位フィニッシュ
と、序盤から中盤にかけては「追いかける展開」、後半に少し持ち直しつつも上位チームとは差がつくレース内容でした。
ここから読み取れるのは
・世界大会代表クラスを複数擁しながらも、東日本の層の厚い実業団駅伝では簡単に勝たせてもらえない
・ベストメンバーが揃わない状況や調整途上では、優勝候補であっても取りこぼしが起こりうる
・逆に、課題を洗い出して本番の元日にコンディションを合わせる「ピーキング力」が問われる
ということです。
ただし、Hondaは2022・2023年の連覇や、2024・2025年の2位といった実績からも分かる通り、「本番で仕上げてくるチーム」。東日本実業団駅伝での苦戦は、元日の群馬に向けた布石と捉える見方もできます。
Honda陸上競技部の主力メンバーと注目選手
Honda陸上競技部の中・長距離メンバーは、日本代表経験者と駅伝巧者がバランス良く揃う「タレント軍団」です。2025年度の新体制では、伊藤達彦がキャプテンを務め、新人として吉田礼志・西川千青に加え、ランガット・ベナードも加入しています。
ニューイヤー駅伝2026で軸になりそうな主力選手を整理しておきます。
伊藤達彦(キャプテン)
・東京オリンピック10000m日本代表、世界選手権代表経験も持つチームキャプテン
・ロードとトラックの両方で安定感があり、中盤の重要区間や「風向きを変えたい場面」での起用が想定されます。
小山直城
・マラソングランドチャンピオンシップ優勝経験を持つマラソンのエースで、東京2025世界陸上男子マラソン日本代表。
・2025年ニューイヤー駅伝でも2区で区間7位と“仕事をした”選手で、長い距離のエース区間での起用が濃厚です。
森凪也
・東京2025世界陸上5000m代表。13分15秒07の自己ベストを持つスピードランナー。
・2025年大会では1区を任され、区間9位と大崩れしない走りでチームをレースに残しました。2026年も1区候補の筆頭格と言えます。
青木涼真
・パリオリンピック3000m障害代表、日本選手権3000m障害優勝など世界レベルのスピードとスタミナを兼ね備えた選手。
・2025年ニューイヤー駅伝では5区で区間賞を獲得し、Hondaを首位に押し上げた立役者です。2026年も中盤のロング区間でレースを動かす“キーマン”になるでしょう。
イェゴン・ヴィンセント
・4区など比較的短めの区間で圧倒的なスピードを発揮できる外国人エース。2025年ニューイヤー駅伝では4区で区間賞を獲得しています。
・東日本実業団駅伝でも2区で区間7位と存在感を見せており、2026年も“流れを変える切り札”としての起用が予想されます。
その他にも
・中山顕 過去にアンカーVテープも経験しているロード巧者
・小袖英人 2024・2025シーズンも安定して主要区間を任されている駅伝型ランナー
・久保田徹 東日本実業団駅伝で区間3位、ニューイヤー駅伝でも上位でまとめる“安定の仕事人”
・新人の吉田礼志 学生時代からハーフ・駅伝でエースを張ってきた即戦力ルーキー
など、「誰が7人に選ばれるのか」「誰が区間を外れるのか」という点も含めて非常に層の厚いメンバー構成となっています。
ニューイヤー駅伝2026本番に向けては
・チームエントリー12人
・区間オーダー7人
が大会直前に発表される見込みなので、Honda公式サイトやX公式アカウントでの最新情報チェックが欠かせません。
Hondaの強みと勝ち筋 ニューイヤー駅伝2026で押さえたいポイント区間
Hondaの強みを整理すると、大きく3点に集約できます。
- 世界大会代表クラスを含む「個の力」の高さ
- 2022・2023年連覇と2024・2025年連続2位で培った“ニューイヤー駅伝の戦い方”への熟知
- 2025年大会で証明された、中盤から終盤にかけての爆発的なスパート力
この強みを、7区間100kmのレースにどう落とし込むかが、Hondaの「勝ち筋」です。
特にニューイヤー駅伝2026で注目したい区間は次の通りです。
1区(12.3km)
・前回大会では森凪也が区間9位ながら、優勝争いの射程圏内に踏みとどまる走りを見せました。
・2026年も「序盤で大きく遅れないこと」が最重要。森の続投か、あるいは新人・若手の抜擢か、スタート区間の人選に注目です。
2区(21.9km エース区間)
・各チームの日本代表クラスが集結する花形区間。
・Hondaは小山直城という世界陸上マラソン代表を持っており、2025年大会でも区間7位と“仕事をした”走りを見せています。
・ここで“致命的なビハインドを背負わないこと”が、その後のじわじわ浮上パターンにつながります。
3~5区(中盤のロング&タフ区間)
・3区(15.3km)、4区(7.6km)、5区(15.9km)は、トヨタ自動車や旭化成、GMOインターネットグループなどライバルチームと真っ向勝負になる区間です。
・Hondaはここに伊藤達彦、ヴィンセント、青木涼真、久保田徹、小袖英人など「ロードで結果を出している選手」を複数配置できるのが大きな強みです。
・特に2025年大会では4区ヴィンセント&5区青木のダブル区間賞で首位に立った流れがあり、この“中盤での一気の押し上げ”を再現できるかがポイントになります。
6区(11.4km)
・2025年大会では久保田徹が区間3位と安定した走りで首位キープに貢献しました。
・2026年も「大きく崩れないこと」が最重要。ここをしっかりとつなげれば、アンカー勝負に持ち込める可能性が一気に高まります。
7区(15.6km アンカー)
・2024年大会ではトヨタ自動車とのアンカー勝負で粘り、2025年大会では旭化成との“8秒差決戦”となった区間です。
・中山顕のような経験豊富なロード巧者を据えるのか、新たなフィニッシャーを立てるのかは大きな注目ポイント。
・Hondaとしては「20~30秒差なら逆転可能」という感覚を持っており、アンカー勝負に強いチームカラーは大きな武器です。
総じて、Hondaの理想的な勝ち筋は
・1区~2区で“優勝争い圏内”に踏みとどまる
・3~5区の中盤でヴィンセント・青木・伊藤らを軸に一気に順位とタイム差を詰める(あるいは先頭に立つ)
・6区で大崩れせず、7区アンカー勝負へ持ち込む
という形です。2025年大会でほぼ実証されたパターンを、70回記念大会でどこまで再現・アップデートできるかが、王座奪還のカギを握ります。
他チームとの力関係とHondaの優勝・王座奪還の可能性
ニューイヤー駅伝2026は、第70回記念大会という節目の大会らしく、各地区予選を勝ち抜いた40チームが出場します。
なかでもTBS公式サイトが「前回大会上位4チームによる優勝争いか」として挙げているのが
・旭化成(前回優勝・26回優勝の絶対王者)
・Honda(前回2位・2022&2023年王者)
・トヨタ自動車(2024年王者・前回3位)
・GMOインターネットグループ(前回4位・悲願の初優勝を狙う新鋭)
という4強です。
これに加えて
・東日本予選を制したロジスティード
・中部のトヨタ紡織
・関西の住友電工
・中国の中国電力
・九州の三菱重工
など、地区予選を制したチームも勢い十分で本戦に乗り込んできます。
そのうえで、Hondaの優勝・王座奪還の可能性を整理すると
・戦力面だけを見れば“本命の一角”であることは疑いようがない
・2022・2023年に連覇し、2024・2025年も2位という「4年連続表彰台」は他チームにはない安定感
・一方で、東日本実業団駅伝ではロジスティードやGMO、SUBARUなどの後塵を拝しており、“マークの集中”やコンディション次第では取りこぼしの可能性もある
という状況です。
現実的な見立てとしては
・「優勝候補の一角」であり、優勝しても全く不思議ではない
・4強の力は拮抗しており、当日のコンディション・区間配置・レース展開次第で順位が大きく変動する
・Hondaが勝つためには、2025年大会以上に“中盤の押し上げ”と“アンカー勝負”を自分たちの流れに引き込めるかどうかがカギ
といったところでしょう。
ニューイヤー駅伝2026 Honda関連の最新情報チェックポイント
最後に、ニューイヤー駅伝2026でHondaを追いかけるうえで、事前にチェックしておきたいポイントをまとめておきます。
・チームエントリー(12人)と区間オーダー(7人)の発表日
・森凪也・小山直城・青木涼真・伊藤達彦ら主力の直近レース結果(トラックの10000mやハーフマラソン、マラソンなど)
・東日本実業団駅伝後に出ているチームコメントや、Honda陸上競技部公式サイト・X公式アカウントでの発信内容
・旭化成・トヨタ自動車・GMOインターネットグループなど、ライバルチームのエース起用状況や区間配置の傾向
これらを押さえておくと、元日のレース展開をかなり具体的にイメージしながら観戦できるようになります。
第70回記念大会の上州路で、Hondaがどんなレースを見せてくれるのか。
3年ぶり3度目の王座奪還となるのか、それとも再び“悔しい2位”に終わるのか。
大会当日は、ここで整理したポイントを思い出しながら、ぜひテレビや配信でニューイヤー駅伝2026を楽しんでみてください。



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