日本ハムの松本剛が、国内FA権を行使したうえで巨人への移籍を決断したと報じられています。日本ハムも残留交渉を続けていましたが、新しい環境でプレーする道を選んだ形です。
・松本剛の巨人移籍で、巨人と日本ハムはどう変わるのか知りたい
・昨年の甲斐拓也に続き、巨人が2年連続でFA補強に動いた理由を整理したい
・来季の巨人のスタメンや外野布陣がどうなるのかイメージしたい

こう感じている方に向けて、この記事では松本剛のプロフィールと特徴、巨人が求めたポイント、昨年の甲斐獲得とのつながり、日本ハム側への影響までを整理して紹介します。読み終える頃には、今回のFA移籍がどんな意味を持つのか、全体像がすっきり整理できるはずです。
松本剛が巨人入りを決断した背景
報道によると、松本剛は2025年シーズンに取得した国内FA権を行使したあと、日本ハムと巨人の間で熟考を続けてきました。
・日本ハムは宣言残留を認めたうえで慰留
・松本剛は日本ハム一筋14年の思い入れもあり、北海道への愛着を口にしてきた
・それでも最終的には、評価と環境を総合的に考え、巨人でプレーする道を選んだと報じられている
交渉解禁初日から巨人は積極的にアプローチし、清水隆行や亀井善行が着けてきた背番号「9」を提示したと伝えられています。背番号の扱いからも、控えではなくレギュラークラスとして期待していることがうかがえます。
松本剛はどんな選手か 首位打者経験を持つ万能型外野手
松本剛は1993年8月11日生まれの32歳です。埼玉県川口市出身で、帝京高校から2011年ドラフト2位で日本ハムに入団しました。
主な特徴を整理すると、次のようになります。
・右投右打の外野手
・2022年に打率3割4分7厘でパ・リーグ首位打者を獲得し、同年ベストナイン外野手部門も受賞
・コンタクト能力が高く三振が少ない中距離ヒッター
・走塁も含めた総合力に優れ、シーズン20盗塁前後を記録した年もある
・守備ではセンターを中心に外野全ポジションをこなせる安定感
今季2025年は打率が伸び悩みましたが、通算では打率2割6分台、通算安打も600本を超える実績のある外野手です。打線のど真ん中でホームランを量産するタイプではなく、
・上位での出塁とつなぎ役
・下位打線でのしぶとい打撃
・終盤リード時の守備固めや機動力
といった形で、攻守両面から試合を整える役割が期待できる選手と言えます。

巨人が松本剛を必要とした理由 外野の不安と守備力アップ
巨人は2025年シーズン、外野のレギュラーを最後まで固定し切れず、守備面の不安もたびたび指摘されました。
・複数の外野手を入れ替えながら戦った結果、外野守備のエラーが増えた
・打撃は良くても守備で不安がある選手、守れても打撃が安定しない選手が多く、バランスに悩んだ
・「守れて打てる外野手」をもう1人加えたい事情があった
こうした状況で、
・守備範囲が広く、堅実なプレーを続けてきた外野手
・首位打者経験もあるコンタクト型の打者
・32歳とベテラン一歩手前で、数年間は計算できる年齢
という条件に合致したのが松本剛でした。打撃で40本塁打を期待するというより、「外野守備の安定」と「打線のつながり」を一緒に底上げするピースとして獲得したと考えられます。
昨年の甲斐拓也に続く2年連続FA補強 巨人の補強方針の流れ
巨人は2024年オフ、ソフトバンクからFA宣言した甲斐拓也を獲得しました。
・強肩とリードで知られる捕手で、ゴールデングラブ賞7回、ベストナイン3回の実績
・背番号「10」が与えられ、正捕手としての期待を背負って入団
守備の要である捕手を実績十分の選手で固めたうえで、翌オフとなる今季は外野守備と走攻守のバランスに優れた松本剛をFAで獲得する流れになりました。
この2年の動きを並べてみると、巨人の補強方針がはっきりしてきます。
・長打力だけに偏らず、守備と総合力を重視した選手に投資している
・捕手と外野という、失点を左右するポジションを経験豊富な選手で固めようとしている
・即戦力のベテランと若手をうまく組み合わせ、チーム全体の底上げを狙っている
以前の「大砲の大型補強」というイメージから、「守りとバランスを整える補強」へシフトしているのがポイントです。
日本ハムにとっての痛手と今後の編成
日本ハム側にとって、今回の移籍は戦力面でも象徴的な意味でも小さくない出来事です。
・ドラフト2位で入団し、首位打者にまで成長した生え抜き外野手が流出
・2023年からは選手会長も務め、グラウンド内外でチームを支えてきた存在だった
若手中心の再建を進めている中で、「走攻守そろった即戦力外野手」を失うのは簡単には埋めにくい穴になります。
今後は、
・若手外野手の出場機会をさらに増やし、育成と競争を加速させる
・状況に応じて新外国人やトレードで外野手を補強する
といった編成の動きが予想されます。球団としては宣言残留も認めて慰留したと報じられており、そのうえで選手が新たな挑戦を選んだ形です。
来季の巨人外野争いとセ・リーグへの影響
松本剛の加入により、巨人の外野は来季さらに熾烈なポジション争いになります。
・センターやライトでの起用が有力で、守備力重視のオーダーを組みやすくなる
・既存の外野手は、打撃だけ、守備だけではポジションを維持しにくくなる
・1番や2番での出塁役、6番や7番でのつなぎ役など、打順の選択肢も増える
昨年の甲斐に続き、守備でチームを支えるタイプの選手を2年続けてFAで加えたことで、巨人は「守り勝つ野球」に一歩近づいたと言えます。
もちろん、リーグ優勝や日本一に届くかどうかは、
・既存主力と新戦力のかみ合わせ
・若手の成長スピード
・先発、リリーフを含めた投手陣との相乗効果
など、さまざまな要素に左右されます。それでも、ここ2年の補強だけを見ても「守備と総合力を重視するチーム作り」に動き出しているのははっきりしています。松本剛の巨人移籍は、その流れを象徴する1つの移籍と言えるでしょう。



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