・第78回全日本バレーボール大学選手権大会の日程や会場を分かりやすく整理して知りたい
・男子と女子の優勝候補や勢力図を押さえて、観戦前にイメージをつくっておきたい
・日本代表経験者や将来プロ入りが期待される注目選手をチェックしておきたい

この記事では2025年12月時点で公表されている大会要項や連盟の公式発表などをもとに、第78回全日本バレーボール大学選手権大会の基本情報と男子・女子それぞれの優勝候補、注目選手をできるだけ分かりやすく整理して紹介します。
■第78回全日本バレーボール大学選手権大会の基本情報
第78回全日本バレーボール大学選手権大会(男子)、第72回全日本バレーボール大学選手権大会(女子)は、大学バレー日本一を決める学生最高峰の大会です。協賛企業名がつき、「ミキプルーン スーパーカレッジバレー」としても案内されています。
大会日程は、
・2025年12月1日〜12月7日
初日に開会式と一部競技が行われ、2日目以降に本格的なトーナメントがスタートし、最終日に3位決定戦と決勝で大学日本一が決まるスケジュールになっています。
会場は首都圏に複数分かれており、男子・女子でメイン会場が少しずつ異なりますが、主な会場は次の通りです。
・大田区総合体育館
・国立代々木競技場第一体育館
・エスフォルタアリーナ八王子(メイン・サブ)
・所沢市民体育館
準決勝以降や決勝は大田区総合体育館で行われる予定で、大学バレーの「聖地」のひとつとして定着しています。
出場校は、
・男子64大学
・女子64大学
合計128大学です。各地域の予選、東日本インカレ・西日本インカレなどを勝ち抜いた大学が、単純トーナメント方式で日本一を争います。負ければ終わりの一発勝負で、3位決定戦のみ敗者同士が対戦する形式です。
また、この大会は大学スポーツ全体のポイントランキングとなる「UNIVAS CUP(ユニバスカップ)」の対象競技にもなっており、各大学にとってはバレーボール部だけでなく学校全体の評価にも関わる重要な大会となっています。
■男子の優勝候補と注目大学
男子は、関東の強豪校と西日本勢がぶつかり合う構図です。春・秋の関東大学リーグ戦や東日本インカレ、西日本インカレの結果を踏まえて、主な優勝候補大学を整理します。
〇早稲田大学 関東王者としての本命候補
早稲田大学は関東1部リーグの春季・秋季で常に優勝争いを演じ、シーズンを通じて安定した強さを見せているチームです。全日本インカレでも上位シードに入り、組み合わせの面でも有利な位置から日本一を狙います。
高さとスピードを兼ね備えたサイドアタッカー陣に加えて、堅実なレシーブ能力を持つ選手が多く、長いラリーを取り切る総合力が強みです。関東勢の中でも「穴が少ないチーム」として、優勝候補の筆頭に挙げられます。
〇専修大学 前回王者として連覇に挑む
専修大学は前回大会の男子チャンピオンです。昨年の全日本インカレでは、パワフルなサーブと組織的なブロックで相手を圧倒し、日本一の座を勝ち取りました。
今季も日本代表経験を持つオポジットや高さのあるミドルブロッカーを軸に、攻守ともにスキの少ないメンバー構成です。東日本の大会やリーグ戦では苦しい試合も経験しており、その悔しさをぶつける形で「全カレ連覇」を狙います。
〇中央大学 東日本インカレ優勝の勢い
中央大学は東日本インカレで優勝し、勢いに乗って全日本インカレに乗り込んできたチームです。
高さのあるミドルブロッカーと器用なセッターを中心にコンビネーション攻撃の完成度が高く、守備面でもリベロを中心に粘り強くボールをつなぐのが特徴です。上位進出はもちろん、優勝争いに食い込む力を十分に持っています。
〇順天堂大学・明治大学 関東上位常連の実力校
順天堂大学はサーブとブロックで相手にプレッシャーをかけるスタイルが特徴のチームです。攻撃的なサーブで崩し、前衛の高さで仕留める形を徹底しており、一発勝負の大会で当たると怖い存在です。
明治大学は、ビーチバレー経験も持つオールラウンダーな選手を中心に、多彩な攻撃で得点を重ねるチームづくりをしています。コンビの多さと攻撃のバリエーションが魅力で、上位シード校にも十分対抗できる力があります。
〇西日本勢 近畿大学・大阪産業大学・愛知学院大学など
西日本勢では、近畿大学、大阪産業大学、愛知学院大学などが注目されています。関西リーグや東海地区リーグで結果を残している大学が多く、フィジカルの強さと高さを武器に、関東勢にどこまで迫れるかが見どころです。
特に愛知学院大学は、長身エースと高さのあるブロックを軸に、昨年の大会でも存在感を発揮していました。今大会でも番狂わせを起こす候補として名前が挙がります。
■女子の優勝候補と注目大学
女子は例年以上に勢力図が拮抗しており、多くの大学に優勝のチャンスがあります。関東リーグと東日本インカレ、西日本インカレの結果をもとに、注目校を整理します。
〇東京女子体育大学 関東春秋連覇の大本命
東京女子体育大学は、関東大学女子リーグの春季・秋季を連覇し、東日本インカレでも上位に進出しているチームです。全日本インカレでも第1シードとして大会に臨みます。
ミドルブロッカーを中心としたブロックの高さと、安定したサーブレシーブから多彩な攻撃を展開できる点が最大の強みです。総合力で抜きん出ており、「今度こそ日本一を」という思いで大会に挑みます。
〇筑波大学 前回王者としてのプライド
昨年の全日本インカレ女子で優勝した筑波大学も、今大会の大きな柱です。東日本インカレや関東リーグでも常に上位争いを演じており、守備の粘りとコンビバレーで相手を崩すスタイルが確立されています。
多彩なスパイカー陣に加え、ゲームメイク力に優れたセッターが試合をコントロールできることが、短期決戦で大きな武器になりそうです。
〇日本体育大学・青山学院大学 関東の実力校
日本体育大学は伝統ある強豪校で、リーグ戦や東日本インカレでも高いレベルで戦い続けています。スパイクだけでなくディフェンス面の評価も高く、地力の高さはトップクラスです。
青山学院大学も関東リーグで優勝争いに絡む力を持ち、テクニックに優れたアウトサイドヒッターが多く在籍しています。クイックやバックアタックを織り交ぜる多彩な攻撃で相手ブロックを翻弄するチームです。
〇鹿屋体育大学・福岡大学・中京大学 西日本勢の台頭
西日本では、九州地区で力をつけている鹿屋体育大学や福岡大学、中京大学などが注目されています。特に福岡大学は、今大会で東海大学を破るなど勢いのある戦いぶりを見せています。
西日本勢はフィジカルの強さと粘り強いレシーブが特徴で、どの大学も上位進出の可能性を秘めています。シード校との対戦で波乱を起こすかどうかにも注目が集まります。
■日本代表経験者やプロ内定選手など注目選手
全日本インカレの魅力は、トップレベルのチーム同士の戦いだけでなく、日本代表クラスや将来のプロ候補が同じコートに立つことにもあります。ここでは、公表されている情報をもとに、特に注目度の高い選手を男子・女子からピックアップします。
〇高橋慶帆(法政大学・オポジット)
男子日本代表としても活躍する法政大学のオポジット・高橋慶帆選手は、全日本インカレでも大きな注目を集めています。高い打点から放たれるスパイクと、ブロックの上から打ち抜くパワーは大学バレーでも別格と言われています。
今大会が大学最後のシーズンとなる見込みで、集大成としてどこまでチームを引き上げられるかが大きな見どころです。
〇甲斐優斗(専修大学・オポジット)
昨年の全日本インカレ優勝に大きく貢献した専修大学のエース・甲斐優斗選手も、日本代表経験を持つ注目選手です。高い打点とコースの打ち分けが持ち味で、試合前のアップから強烈なスパイクを見せる姿が話題になるほどの存在感があります。
大会連覇を目指す専修大学の中心選手として、重要な場面でどれだけ得点を重ねられるかに注目が集まります。
〇中央大学・愛知学院大学などの主力選手
中央大学では、高さを生かしたミドルブロッカーやゲームを組み立てるセッター、キャプテンシーに優れた主将など、バランスの良い主力陣がそろっています。愛知学院大学でも長身のエーススパイカーや高いブロック力を持つ選手が、全国の舞台で存在感を示しています。
これらの選手は今後、国内トップリーグへの進路が注目されるメンバーも多く、全日本インカレでの活躍が大きなアピールの場になります。
〇女子の注目選手(東京女子体育大・筑波大・福岡大 ほか)
女子では、東京女子体育大学のエースアタッカーやリベロ、筑波大学の主力アウトサイドヒッターに加え、福岡大学の若いスパイカーたちも注目されています。
福岡大学はシード校を破る試合も見せており、下級生が躍動しているのもポイントです。東海大学や順天堂大学にも将来が楽しみなアウトサイドヒッターやミドルブロッカーがそろっており、どの試合でも新しいスターが生まれる可能性があります。
■大会の見どころと勢力図のポイント
男子の勢力図を見ると、関東1部リーグ上位の
・早稲田大学
・専修大学
・中央大学
・明治大学
・順天堂大学
といった大学に、西日本の
・近畿大学
・大阪産業大学
・愛知学院大学
などが挑む構図になっています。
女子は
・東京女子体育大学
・筑波大学
・日本体育大学
・青山学院大学
といった関東勢に、
・福岡大学
・鹿屋体育大学
・中京大学
など西日本勢が食らいつく形で、例年以上に混戦模様と言われています。東海大学のようにシード校が早いラウンドで姿を消すケースもあり、最後まで予想が難しい大会です。
また、男子の高橋慶帆選手や甲斐優斗選手のように、すでにシニア代表で活躍している選手が出場していることも大きな見どころです。将来の日本代表を担う選手たちを、大学のユニフォーム姿で見られる貴重な機会でもあります。
一発勝負のトーナメントという特性上、サーブレシーブとブロックの出来が、その日の試合結果を大きく左右します。番狂わせを狙う地方大学が、守備からリズムをつくって勝利をもぎ取る展開も多く、毎試合が見逃せません。
■観戦方法と配信情報のチェックポイント
会場で観戦する場合は、大田区総合体育館やエスフォルタアリーナ八王子、所沢市民体育館など各会場での当日券販売や、プレイガイドでの前売り券販売が行われます。日程によって使用会場が変わるので、事前に公式サイトの案内を確認しておくと安心です。
ネット配信は、UNIVAS(ユニバス)の公式YouTubeチャンネルで、3回戦以降の試合がライブ配信される予定です。男女ベスト16以降の試合や準々決勝、準決勝、3位決定戦、決勝などが対象で、メンバーシップ会員向けの有料配信として行われます。
テレビ放送は、スポーツ専門チャンネルのJ SPORTSが、男女の3位決定戦と決勝を中心に中継する予定です。J SPORTSオンデマンドでも同カードをライブ配信する計画があり、自宅でもハイレベルな大学バレーを楽しむことができます。
大会前半の1回戦・2回戦は、連盟公式の配信がない日もありますが、大学によっては自校のYouTubeやSNSで独自配信を行っているケースもあります。推し大学がある人は、チームの公式X(旧Twitter)やInstagramもこまめにチェックしておくと見逃しを減らせます。
■まとめ 観戦前に押さえておきたいポイント
第78回全日本バレーボール大学選手権大会は、
・関東王者の早稲田大学や前回王者の専修大学、東日本インカレ優勝の中央大学を中心とした男子の優勝争い
・東京女子体育大学、筑波大学、日本体育大学、青山学院大学に、西日本勢の福岡大学や鹿屋体育大学などが挑む女子の混戦
・日本代表経験者や将来のプロ候補が多数出場する、ハイレベルな大学バレーのぶつかり合い
といったポイントが重なり合う、非常に見どころの多い大会です。
観戦する際は、
・男子では早稲田・専修・中央など関東上位校と西日本勢の対戦カード
・女子では東京女子体育大や筑波大と、西日本勢がぶつかる準々決勝以降の試合
・高橋慶帆選手や甲斐優斗選手など、日本代表経験者がコートに立つ試合
といったポイントを意識してチェックすると、全日本インカレをより深く楽しめます。
テレビや配信で観る人も、現地で観戦する人も、この記事で紹介した大学名や注目選手を頭に入れておくことで、一試合ごとの背景やドラマが見えてきて、大学バレーの魅力を何倍も味わえるはずです。



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