- 「どんな勝ち方をしたのか詳しく知りたい」
- 「試合の流れをラウンドごとに整理して振り返りたい」
- 「この勝利がフライ級タイトル戦線にどんな影響を与えるのか気になる」

堀口恭司がタギル・ウランベコフに完勝したUFCカタール大会の内容を、試合結果やラウンドごとの展開、技術面のポイント、そして今後のタイトル戦線の行方まで、総合的に分かりやすく整理してお届けします。
堀口恭司がUFCに九年ぶり復帰

堀口恭司は、日本を代表する総合格闘家で、これまでRIZINとBellatorでバンタム級王者を経験し、RIZINではフライ級王座も獲得してきた実績十分のファイターです。
最初のUFC参戦時にはフライ級でタイトル挑戦まで到達し、戦績は七勝一敗。唯一の黒星はデメトリアス・ジョンソンとのフライ級タイトルマッチでの一本負けでした。
その後は主戦場を日本に移し、RIZINとBellatorでベルトを巻き続けた堀口ですが、二〇二五年に再びUFCと契約。今回のカタール大会が約九年ぶりのオクタゴン復帰戦となりました。
対戦相手タギル・ウランベコフとはどんな選手か
今回の相手タギル・ウランベコフは、ロシア出身のフライ級ファイターで、コンバットサンボの世界王者としても知られる実力者です。
UFC参戦後は、鋭いテイクダウンとバックコントロールを武器に、判定と一本勝ちを積み上げてきました。
日本の格闘技ファン向けの事前記事では、UFC公式ランキングでフライ級一一位のランカーとして紹介されており、堀口の復帰戦としてはかなりハイリスクなマッチメイクだったと言えます。
つまりこの試合は
ベテランの日本人レジェンドが、勢いのあるランカーにいきなり挑む構図でした。ここで負けてしまうと、タイトル戦線に食い込むまでに大きな遠回りになります。そのプレッシャーの中での完勝だったことが、今回の評価をさらに押し上げています。
試合結果 堀口が三ラウンド目で一本勝ち
試合結果は
堀口恭司がタギル・ウランベコフに対し、三ラウンド二分一八秒、リアネイキッドチョークによる一本勝ちというフィニッシュでした。
三ラウンド目にスタンドでの攻防から頭部へのキックでダウンを奪い、そのまま背後に回ってチョークを極めて失神フィニッシュ。テクニカルサブミッションとして試合がストップしています。
判定決着でもおかしくない展開でしたが、最後までギアを上げ続けてフィニッシュまで持っていったことで「完勝」という印象がより強く残る内容になりました。
ラウンドごとの試合展開
ここからは、ラウンドごとの流れを簡単に振り返ります。
一ラウンド目
ウランベコフはリーチの長さを生かしてジャブや前蹴りで距離をキープしようとします。対する堀口は、いつもの素早い出入りとワンツーで懐に飛び込み、右のカーフキックも混ぜながらリズムを作っていきました。途中、テイクダウンを狙われる場面もありましたが、大きなピンチにはならず、互いに様子を探る立ち上がりという印象でした。
二ラウンド目
ここで試合の流れが大きく動きます。堀口の右カーフキックが何度もウランベコフの前足をとらえ、目に見えて動きが重くなっていきました。ウランベコフは前に出ようとしても足がついてこず、タックルの入りも弱くなります。スタンドの打撃戦では、堀口がステップワークとカウンターで一歩上を行く展開が続きました。
三ラウンド目
ダメージの蓄積でウランベコフの動きが落ちてきたところで、堀口が勝負を決めにいきます。フェイントとカーフキックで下を意識させたあと、頭部へのハイキックをクリーンヒット。これでウランベコフが大きく崩れると、すかさずバックポジションを奪いリアネイキッドチョークへ。ウランベコフはタップできないまま意識を失い、レフェリーが試合を止めました。
完勝の理由 カーフキックと経験値の差
今回の試合で、堀口が「完勝」と言われる理由は大きく三つあると感じます。
一つ目は、右カーフキックを軸にしたゲームプランです。
二ラウンド目以降、カーフキックが効き始めてからは、ウランベコフの踏み込みやタックルのスピードが明らかに落ちました。テイクダウンを得意とする相手から、その武器を奪うことに成功したのは大きなポイントです。
二つ目は、距離とリズムのコントロールです。
ウランベコフはリーチとプレッシャーを生かして前に出たいタイプですが、堀口は大きなサークリングと一瞬で踏み込むステップで、その得意パターンをほとんど機能させませんでした。時折テイクダウンを狙われても、ケージを使って立ち上がる対応も落ち着いていました。
三つ目は、大舞台での経験の差です。
タイトルマッチを含め、世界トップレベルのプレッシャーを何度も経験してきた堀口は、序盤で無理をせず、相手の出方を見ながら自分のペースに引き込む試合運びがとても冷静でした。三ラウンド目にフィニッシュまで持っていった判断も含めて、勝ち方を知っているベテランの強さがはっきり出た試合だったと思います。
試合後マイクとフライ級タイトル戦線への影響
試合後のマイクでは、堀口恭司がフライ級王者アレッサンドレ・パントージャへの挑戦を強くアピールしました。チームメイトでもある王者に向けて、自分にもタイトル挑戦の資格があることを堂々と示す内容でした。
今回の勝利で
堀口はUFCのフライ級戦線に一気に名乗りを上げた形になります。もともと実績だけ見れば、タイトルコンテンダーとして十分なキャリアを持っていますが、それをオクタゴンの中であらためて証明した形です。
今後は
フライ級上位ランカーとの対戦や、タイトル挑戦者決定戦のような位置づけのマッチアップが組まれる可能性も高まったと言えます。日本のファンにとっても、久しぶりに「UFCのベルトが視野に入る日本人ファイター」が戻ってきたというワクワク感がさらに強まったのではないでしょうか。
日本格闘技シーンにとっての意味と今後の楽しみ
今回のUFCカタール大会での完勝は、堀口恭司個人のキャリアだけでなく、日本の総合格闘技全体にもプラスのニュースになりました。
日本でRIZINを引っ張ってきたスターが、世界最高峰のUFCに戻り、そのままランカー相手に一本勝ちを収めた事実は、日本人ファイターでも世界としっかり戦えるという分かりやすい証明になります。
今後の注目ポイントとしては
堀口の次戦のマッチメイク
パントージャとのタイトルマッチが実現するかどうか
日本開催大会やアジア圏での出場の可能性
このあたりが挙げられます。ファンとしては、今回のようなハイレベルな試合をもう一度、二度と見たくなる内容だったと言えるでしょう。
堀口恭司がウランベコフに完勝したこの一戦は、単なる復帰戦ではなく、フライ級タイトル戦線に向けた本格的な再スタートの合図のようにも感じられます。今後の動きも追いかけながら、引き続き試合情報を整理していきたいと思います。



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